九七式中戦車チハ「みたて号」

2011年2月10日 (木)

九七式中戦車チハ≪みたて号≫その11;尖頭リベット複製

 他所様の板やらブログやらにはお邪魔してるくせに、自分のブログは放置状態で気が付いたらとっくの昔に2月に、いやはや。一応、元々の予定では週イチ位のペースで記事を書くつもりなんですが、ちょっと本業が立て込むとすぐコレだよ(;´д`)。スミコンの投票結果発表が終わって改めてちょっと気分をリセットしたいってことで、意識的に間をとったせいもあるにはあるんですけどね。等と言い訳をしつつ、既にチハタン作業の方はぼちぼちと再開はしているのです。ただし、一度終わったつもりになった所を再修正(気持ちのリセットが欲しかった理由は多分にこのせいなんですが)。

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ボルトはまだいい。問題はこの後だ!

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2010年12月29日 (水)

九七式中戦車チハ≪みたて号≫その10;ボギー

Dscf1065 チハ系列の主転輪は1・6番が独立懸河、2‐5番が二個づつのボギーにまとめられています。ボギーのパーツはタミヤで特に問題ありませんが、中心軸の左右に実車では小さなリブがあるので再現。あと、山のてっぺんにまたぞろ油口。

油口の作り方は主転輪の項で書きましたが、改めて写真をば。ある程度の時間、火を使う場合は最近はアマゾンで買った小さなアルコールランプを使っています。アルコールは薬局で燃料用を購入の事。小さなマイナスドライバーを“程よく”炙って、プラストラクトの丸ロッド0.3㎜の頭を軽く焼き潰すと、2010_0108_200903210014_2

こんな感じ。キャップというよりは皿ネジですが、座金のパーツに穴をあけて植え込むと、まぁちょうど良い感じになるかな、と。ちなみにこの油口、実車では直径15㎜、高さは座金込み12.5㎜、といったところ。2010_0108_200903210015
あまりドライバーを熱し過ぎると、丸ロッドが溶けて縮んで使えません。程よくあっためて、あくまで軽く潰すのがポイント。大きさをそろえるのが骨ですが、まとめてたくさん作ってから、ちょうどよいものを選んで使います。

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九七式中戦車チハ≪みたて号≫その9;上部支持輪

上部支持輪のパーツは、大小どちらもタミヤのモノは厚いので、ファインのパーツを基準に裏から薄く削る。厚みのとりかたは主転輪のゴム縁を処理した時と基本、同じように簡単なゲージをつくって。大支持輪については、師範はディテール優先でファインのモノを弄って居られたが、穴の加工が面倒そうだったので、タミヤにファインのハブキャップを移植しつつ、肉抜き穴を貫通させることにした。ファインのハブキャップは、オリジナルパーツから削り取って移植。今回は敢えてこれを4個分行い、後でゴム型を取った(ただし複製品はパーツを供出したファインのキット用)。その後で、ボルトと油口の処理。ボルトはアドラーズネストのSSS(対辺0.5㎜)ちょっと贅沢ですが、頭の研磨加工が要らないステンレス製のANE-0099を使用。

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小支持輪は真ん中の油口と、リムの裏側に小さいボルトが二個付くのでそれを追加。実物ではごく小さい穴が6つ、リム部に開いてるんですが、このサイズでは見えないだろうということで流石に今回はオミット。

支持輪基部もタミヤのそれを生かしたいので無理のない範囲で加工します。ファインのパーツを参考に、肉抜きの処理をリューターのとびきり小さいビット+BMCタガネにて。

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一点、注意が必要なのは肉抜きの貫通孔で、これは大支持輪の基部のみ(左)が正しく、小支持輪には孔は開いていません(右)。ファインのパーツは全てに孔が開いていますが、これはキットの誤りとみてよいでしょう。なにしろみたて号で直接確認してきたもんね。

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九七式中戦車チハ≪みたて号≫その8;靖国再訪

12月11・12日の両日、プライベートで東京に赴いた。直前にあった仕事上の大きなイベントを乗り切り、解放感に浸りたかったこともあったが、もちろん一番の理由は靖国神社は遊就館のみたて号に会うため。8月に20年近くぶりの再会を果たした時には感慨の方が大きくて細かいところに気が回らなかったが、わずか4カ月間を空けただけの今回は、むろん9月以降に手をかけてきた作品に関するディテールの確認が主たる目的。特に戦時の記録写真ではなかなか確認できない足回りを中心に、また一部AM誌の師範の記述に疑問点もあったため、どうしても締め切りまでに一度はこの目で確認したかったのだ。結果的には、新たな発見アリ、見落としに気がつかされた点もアリ、また師範の解釈と異なる点もアリ、で、間違いなく来た甲斐はあった。問題はそこをどう作品に反映させるかだが・・・1587

ところで、細かいことを忘れないうちに、スミコンにチハ車をエントリーした時のことを書いておこうと思う。ちょうどスミコンの開催が決まったころ、あの時は出張の為に東京に滞在しており、合間の空き時間に池袋の東武モデラーズコンテストと遊就館に行く予定は、出かける前に立ててあった。今のところネット上でのお付き合いではあるが、日頃楽しいBBSの場~いろんな毛色の人間に平等に敷居が低いのが一番の長所だと思っています~を提供していただいているお礼に、やはり知らん顔はできまい、という思い。一方で、直前に二度目の締め切り落ちをやらかしていただけに、何作っても期日に間に合わせる自信がまるでなかったのも事実。東武モデコンの会場では当然タミヤ・イタレリ製品中心にキット販売も行われていて、その山を見て考えようかとも思ったが、結局積み上げられた商品を眺めても踏ん切りがつかず、池袋では手ぶらで会場を後にし(正直、その時点では四分六位で断ろうかという気分だったなぁ)。2010_0108_200903210004

それが、遊就館を訪問して、展示を見て回ると、もうなんというか、いろんな意味でテンションがMAXに。展示の内容に政治的な主張が含まれていることを差し引いても、ここを訪れて胸にこみ上げるものがない人は、少なくとも日本人じゃないね(キッパリ)、と言わずに居れない独特の空気が、靖国神社と遊就館にはあります。で帰り際、何か記念になるものを、と売店に寄ると、当然のようにプラモの箱に目が行く訳ですが、戦車に関してはどういう訳かタミヤのチハ、ファインのハ号、どっか忘れた35じゃない陸自90式の3つしか置いてないんですな。さっき実車を見てきたばかりで、ハ号を選ぶわけないので、“またタミヤの”チハを買ってきた、という次第。スミコンへのエントリーを決意したのは、もはやこの状況は天の差配という他あるまい、と腹を括ったその夜のことでした。
(と言いつつも、その時はまだウケ狙いの案とか考えてる位で、自分にとってこの作品が引くに引けないモノになるのは後日「慟哭のキャタピラ(文献5・6)」を読んでから、というのは先にも書いたとおり。

2010_0108_200903210006画像は今回の御土産。といっても遊就館で買ったのは左の二点。サイパンの紀行本は、あくまで戦跡を中心に据えた本、という点は良いのだけれど、シャーマンの残骸には一稿割いてあって、チハにはそれが無いのが不満なところ。ただ、海の紺・空の蒼・山の緑は素晴らしい。右の二冊は 国本康文氏の同人著作。特に左の本はチハにも直結する内容故、いずれ折を見て紹介したい。

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2010年12月 1日 (水)

九七式中戦車チハ≪みたて号≫その7;誘導輪

誘導輪は断面形状を僅かにいじる。センターから緩やかなお椀形の曲線を描いて外周の手前まで下り、外周の平面部分につながる、というのがチハの誘導輪の断面形状のようだが、タミヤのパーツは局面と外周平面とのつながりが唐突、ファインのはそもそも外周平面が無い。繋がり部分に瓶入りサーフェイサーを塗って、研磨。ハブキャップは、ボルトを打ち直し、てっぺんに油口を一つ。2010_1201a

ハブキャップのボルトは、強いて金属製を使う必要は無いかもしれない。師範の記事を読んで、とりあえずやってみたかったというのがホントの所です。ただ、このサイズできちんと六角形になってて欲しいと思うなら金属製を使うしかないでしょう。最初はアドラーズネストのssssを使ってみたが、切り出して頭を削って揃えるのがうまくいかず、一旦接着したものの、後から全部引っこ抜き、T2M製の対辺0.4㎜に交換。なおボルトを植える前に、エバグリの0.5㎜径の丸ロッドをまず植えて、ネジの台座を作る必要がある。

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画像は対辺0.5㎜の製品。0.4㎜も同じプラケースに入っています(このネジ式のケースは後々利用価値が高そうだ)。この製品はなぢさんの『連合軍車両研究』で紹介されていたのを拝読して、0.4と0.5をまとめて購入。一本一本独立して、足の軸も長く使いやすい。ミリタリー用としては若干高さが高いかもしれない。いずれにせよ、この手の商品を使う際に一番しんどいのは、植え位置に正確に穴を掘ることですね。じっと目を凝らすと・・・やっぱりずれてるなぁ。その点、師範は流石という他ない。一発でアレを決めて居られるのか、それとも何度かやり直しをして居られるのか。ディテール工作で一番重要でかつ難しいのは、やっぱり対称性と等間隔だよな、と改めて思う。ヒトの眼はコンマ数ミリの誤差は良く識別出来てしまうが故。どこかに、1㎜以下のドリル刃が使える手のひらサイズの手動式ボール盤みたいな道具は無いものか。

*追記:誘導輪の構造について、12月の遊就館再訪時に個人的に発見があったので、年明け後に追記する予

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2010年11月30日 (火)

九七式中戦車チハ≪みたて号≫その6;起動輪

起動輪は歯の形状を整える作業がメイン。師範の記事にある爪楊枝研磨を私もやってみました。

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ただし金属磨きの代わりにタミヤのコンパウンド(粗)を使い、クレオスのコードレスルーター PROⅡに爪楊枝を噛ませて研磨しています。コンパウンドは塗った後に軽くティッシュでふきとり、うっすら残った位の極少量で十分です(多く塗っても飛び散って汚れるだけ)。爪楊枝とリューターの組み合わせで、こうもスチロールが削れるというのはうれしい発見でした。デリケートな研磨作業で通常のビットだと削り過ぎが怖い、というような時には使えます。

最終的にはアートナイフの先で仕上げを行います。歯の形状は、素の状態で放物線様に崩れてしまっている部分を、僅かにとがった吊鐘型になるように。機械加工したように同じ形に揃えたいけど、手作業ではなかなかそうはなりませんね(^-^;。そして油口を一個付けますが、ここでも一つ謎が。

2010_1130b 正横から写したみたて号の写真がなかなか拝めないので、若干の推定混じりですが、左右の起動輪で油口の付く位置関係が異なるようです。上写真ではそれぞれ右は右起動輪、左は左起動輪ですが、油口が付くおわん状部分の外周にある8つのボルトと油口、そして中心にある大きな六角形のキャップとの位置関係が微妙にずれているのが判りますでしょうか?図にするとこんな感じ。

2010_1130c センターの六角形のキャップがずれてるだけ、といえばそれだけなんですが、同じ鋳型で作ってるとしたらずれるかな?というのが引っかかる。他個体の写真で、同じずれ方をしているように見えるものもあり、複数の鋳型の差?工場の特徴とか関係してたり?と、ちょっと不思議です。

*追記:油口とボルトの位置関係については、12月の遊就館再訪時の調査結果で若干の訂正を年明け後に追記する予定。

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2010年11月27日 (土)

九七式中戦車チハ≪みたて号≫その5;主転輪

前置きが長かったですが、ようやくここから製作記です。まずは主転輪から。チハ系の技術的特徴である(あまり褒められた特徴でもないですけど)ゴム縁の溝を再現します。師範の記事ではドリルレースでいとも簡単にやっつけておられるように見えますので、とりあえず自分もアートナイフの刃を加工して、同じことを手持ちのリューターでやってみました。で、敢無く失敗。溝の幅や深さが安定しなかったためこの方法は断念。リューターは基本的に押し付けて使うものなので、回転軸の固定がドリルほどしっかりしていないのか、僅かな遊びがあってこれが差障りを生むようです。回転半径がもっと小さいモノでないと無理みたいです。

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それで、結局一個づつ手作業で加工することに。なるべく12個全て均一に加工するため、プラ板のゲージにはめ込んでBMCタガネの0.5mmで溝掘り→針ヤスリで角落とし→溶きパテ塗ってスポンジヤスリで磨き、という手順を12×2=24個分行いました。そう書くと随分手間なように思えますが、やり方さえ確立してしまえば、一日転輪一個分、就寝前に削って溶きパテ塗ってオヤスミナサイ、を二週間弱続けるだけです(笑)。

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転輪の加工ではもう一か所、ハブキャップの油口(=グリスポイント。文献1のマニュアル図では油口と記載があるので、日本戦車の記事では以降これで通します)。師範の記事では、主転輪はこれが一応再現されたファインのパーツ流用で済ませ、その以外の部分はアドラーズネストの真鍮ナットで代用しておられます。しかしそれだと、どうしても“ナットはナットにしか見えない”のが我慢できず、また同じ規格のディテールは模型上でも可能な限り統一したい性分なので、キャップっぽいディテールを作る方法を考えました。

幾つか試行錯誤の結果、最終的に落ち着いたのは、まず座金としてプラストラクトの対面0.5㎜六角ロッドを植え込み、高さを調節。一方、同じくプラストラクトの丸ロッド0.3㎜の頭を熱したドライバーで軽く焼き潰してキャップ上のパーツを作り、座金のセンターに穴をあけて植え込む、という手順です。思いっきり顔を近づけるて見ると、キャップが刺さってるように見えて、ちょっとご満悦になりましたが、全体で計算したらチハ1台で46個作らなきゃいけないのを、あまり考えてませんでした(汗)。

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なお主転輪のハブキャップに付く油口の位置は、どうやら1・6番転輪と2-5番転輪とで違う模様。激しく些細な点ですが、ファインのパーツも見落としてるようなので再現してみました。上図の左が1・6番転輪、右が2-5番転輪、黒丸が油口です。外周のボルトとの位置関係に注意。2010_1127c

左1・6番、右2-5番。時間があればボルトの植え直し(キットではただの円柱)や弛み止めハリガネの再現などにも挑戦してみたい所ですが(特にハブキャップのボルトの大きさが違うのが気に入りませんね)、今回はオミットして自作への課題としておきましょう。

*追記:油口とボルトの位置関係については、12月の遊就館再訪時の調査結果を年明け後に追記する予定。

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2010年11月26日 (金)

九七式中戦車チハ≪みたて号≫その4;資料編③

資料編も3回続くと飽きられそうですが、21世紀のスケールモデル作りに欠かせないネットサイトをいくつか。といってもチハ車のいわゆるwalk around画像サイトってのは、現存個体の数の割には圧倒的に少ない。そもそも肝心のみたて号が今は撮影禁止区画になってますし(あ~、初めて参詣した学生の時に撮りまくっておけばよかった)。現存個体の多くが南洋の島か中国大陸、いずれにせよサイトに写真を投稿しまくる欧米のモデラーから遠い所にあるのも原因の一端でしょうねぇ。

さんざん探して唯一、特定個体のクローズアップ画像がまとまった枚数見られるのは『Silicon Valley Scale Modelers Website(SVSM)』のココ。
http://svsm.org/gallery/Type97
日本戦車ファンなら多分誰でも知っている、アバディーンに現存する戦車第二十六連隊のドーザーチハ改。新砲塔なので今回は足回りを中心に参照。また同じHPにはアバディーンの一式自走砲ホニⅠも掲載されているので、そちらも適時参考に。

枚数は多くないが、貴重な中国残置個体とサイパン島の戦九車両の写真を紹介しているのが『戦跡の歩き方』。このサイトは大東亜戦争に関するテキストも一読の価値あり。
http://sakurasakujapan.web.fc2.com/index.html
風雨に堪えるチハ車の骸は見るに忍びないものもあるが、半壊しているが故に見てとれる情報も多い。それ以上に見てゲンナリするのは赤い星(は描いてないけど)のチハ。昔は模型的に面白いと思ったが、このご時世では醜悪にしか見えない。ま、気分の問題に過ぎないのですが。保存状態が最高に良いのもまた腹立たしい(笑。なぜに本国たる日本に(以下略。

同じくチハ車の半壊した残置個体の写真として、最近見つけたロシア語のサイト。
http://rufort.info/index.php?topic=641.0
サイト全体の詳細はまだ分析出来てませんが、占守島の第十一連隊のチハ車の最近の写真がいくらか落とせた。同じ骸でもサイパンのものよりは格段に状態がよく、細部ディテールが見て取れるのはやはり気候のせいか。また、どうもハ号以外にも何台かが本土に拉致られたっぽい様子が写った写真もある。一台でも良いから身受けできないものか。

他にも、若獅子神社の写真を多数掲載したモデラーさんのブログや、チハの模型製作記を掲載されている幾つかのブログモデラーさんの所を適時参考にさせていただいているが、それらブログに関しては、私のチハが完成した暁にご挨拶して回った上でご紹介しようと思います。

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2010年11月23日 (火)

九七式中戦車チハ≪みたて号≫その3;資料編②

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『戦車マガジン増刊 世界の精鋭兵器シリーズ No.6 97式中戦車』(文献1)
古い本だがマニュアルから転載された構造図が多く掲載されており重宝する。また満州時代の第九連隊の写真も貴重。

『日本陸軍写真集①機械化部隊の主力戦車』菊池俊吉 著/グリーンアロー出版社/1994(文献2)
鮮明な生きた、しかも状態の良い訓練時の写真が多く掲載されているため、オリジナルの細部ディテールを確認するのには重宝する。同じ写真を使い解説が若干変更された大日本絵画版も存在するが、値段が高い上に写真は同じとの事なのでそちらは未購入。

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『日本陸軍の機甲部隊3 日本軍戦闘車両大全』浪江俊明 編/大日本絵画/2009(文献3)
前述の大日本絵画版写真集の続きみたいな本(?)だが、こちらは旧軍戦闘車両のカタログ本。私は他に『帝国陸海軍の戦闘車両』
という同種の本を持っているので、特に必要性は感じず、長らくスルーしていた。実際、中身を見てみるとアマゾンの書評でコストパフォーマンスが悪いと書かれていたのは半分は当たっていると思う。ただしこの本はあくまで「最近俄かに日本軍車輌に興味がわき、てっとり早く網羅的な知識が欲しい」という人向けの本であって、「在る程度知識があって、かつ、モデリングの役に立つ写真が一杯見たい」ってな人を対象にはしていない点は考慮すべきだと思う。

じゃあお前は何で買ってるんだ、ですって?確かに今回新たに購入した一冊です。理由は口絵ページに掲載されてる、インドネシアの程度の良い現存個体のカラー写真が見たかったから。4P分に4500円払いましたとも。資料本蒐集なんて写真一枚に大枚はたく世界ですもの。おかげで確認したかった部分が見られたので、個人的には買って損はしなかったとは思っています。

『ストライクアンドタクティカルマガジン増刊 日本陸軍の戦車』古是三春 他/カマド出版/2010(文献4)
先月出たばかりの新刊。表紙に描いてあるチハが正に<みたて号>そのものである上、後述の下田四郎氏の著作の出版社でもあるため、それこそ直接的な写真資料が拝めるものと勝手に期待していたのだが、その点では肩透かしを食ってしまった。ただし、日本軍の主要戦車開発史を概観し、チハ車の設計思想を理解する上では有益であり、モチベーションの向上には寄与する所大ナリ。九七式車載機銃のカバーディテールなど、記録写真で判りずらい部分の把握にも役立つ。
なお全体の半分近くは八九式の記述に割かれており、甲型と乙型の型式識別など最新の考証説を掲載している。さらに言うなら高荷画伯版アハパンである。よって件のマガジンキットを組むにあたり、何か一冊手頃な資料が欲しい、といった場合には文句なくお勧めする(この本が売れて同コンセプトの自走砲編などが出るのを期待してたりするのです)。

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『慟哭のキャタピラ―サイパンから還った九七式中戦車』翔雲社/1999 (文献5)
『サイパン戦車戦―戦車第九連隊の玉砕』光人社/2002(文献6)
『玉砕の鉄獅子 サイパンからの帰還』カマド出版/2009 (文献7)
以上、いずれも下田四郎著

書名自体は以前から知っていたが、その内読もうと思ってそのままになっていた。サイパン戦と戦車第九連隊、そしてみたて号と日本戦車史の本である。日本人の戦車モデラーとして、もっと早く読んでおくべきだった。胸にこみ上げるものを禁じ得ず、結果、今回のプロジェクトの方向性を決めた著作。御一読を強くお勧めする。みたて号含め、第九連隊の写真資料としては文献7がよい(戦場写真はGP誌等と重複するが、本隊員目線での解説は一読の価値があると思う)。なお文献5・6は敢えて両方購入したが基本的に同内容。文庫版の方は通勤カバンに入れて電車の中で。

ストライクアンドタクティカルマガジン増刊 日本陸軍の戦車 2010年 11月号 [雑誌] Book ストライクアンドタクティカルマガジン増刊 日本陸軍の戦車 2010年 11月号 [雑誌]

著者:古是 三春,鈴木 邦宏,土居 雅博
販売元:カマド
発売日:2010/10/13
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玉砕の鉄獅子サイパンからの帰還 Book 玉砕の鉄獅子サイパンからの帰還

著者:下田四郎
販売元:カマド出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

サイパン戦車戦―戦車第九連隊の玉砕 (光人社NF文庫) Book サイパン戦車戦―戦車第九連隊の玉砕 (光人社NF文庫)

著者:下田 四郎
販売元:光人社
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2010年11月22日 (月)

九七式中戦車チハ≪みたて号≫その2;資料編①

自他共に…かどうかは兎も角、模型製作において私はガチガチの細部考証派な自覚があります。ガンプラ少年から脱皮して戦車少年に衣替えした時に、歳の離れた先輩から“あの”HJ誌79年3月号~上田暁氏のⅣ号戦車フルバリエーションの掲載号~をもらった事が、今にして思えば刷り込み効果を発揮してしまったのだろうと思います(元々工作好きだったことも根っこにはあると思いますが)。なんせ小学生の分際で地元の書店に恐らくは町で一冊だけのPANZER誌を取寄せ頼んでたもんね。その内、実車資料を読むことそれ自体も趣味の一つに格上げされ、今では模型製作の実作業と資料分析は車の両輪、完全に50/50のウェイトを占めています。何か作り始める際、最初のひと月位は資料収集とディテールアップポイントの脳内モデリングに費やしてますかね。

と言う訳で具体的な製作記事に入る前に、主だった資料を列記しておきたいと思います。今後製作記事中で触れる必要がある場合、随時引用文献として記入する予定です。1枚目はグランドパワー誌(以降GP誌と略記)各バックナンバー。日本戦車メインのGP誌は過去に何冊が出ていますが、画像一枚目はその内、チハ度が特に高そうな4冊と、一式/三式中戦車を特集した本記事執筆時の最新刊(GPvol.199)。細部ディテール、戦車九連隊の固有装備など、適時参照しながら作業を進めます。

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続いて画像二枚目はアーマーモデリング誌(以降AM誌と略記)のコピー。今回この雑誌も手持ちバックナンバーをひっくり返して役立ちそうな記事をピックアップしましたが、なにげに日本軍率高いですね。当然メインは高石師範の『超級技術指南(vol.109~116)』、加えて北川誠司氏の『帝国陸軍機甲部隊の塗装と識別標識』からサイパン島の戦闘を特集した号(vol.48~50)。もちろん全部オリジナルは書庫にありますが、一々バックナンバーを繰るのは面倒なので、カラーコピーして随時閲覧できる状態にまとめておきます。以降の製作記事中で“師範の記事”とでたらこのAM誌の記事を指します。

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