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2013年4月10日 (水)

Ⅳ号戦車の転輪に関する傾向と対策:前期型編その②

間が空きましたが先日の続きです。先ずは補足から。

・初期型ハブのバリエーション

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 前回触れませんでしたが、初期型ハブはグリスポイントの意匠の違いが少なくとも2種類あります。ただしこの事自体はアハパン三集の初版にも写真解説で触れられている点です[1]。あちこちの写真をつらつら眺めている感触では画像左のタイプが先に造られた型、右のタイプが後から出てきた型のように思いますが確証はありません。ついでに言うとその①のホイールの種類とこのグリスポイントの違いに相関があるかもと思ってみたりするのですが、それも確証を得るには至っていません。

・初期型ハブと中期型ハブの直径

 初期型ハブと中・後期型ハブは恐らく直径が違っていて、中期型=E型のハブからわずかに直径が大きくなっているハズです。初期型のハブはホイール側のハブ部円柱の直径そのままにキャップへとつながりますが、E型の中期ハブ転輪(Type3)の場合、キャップの縁がわずかにホイールのリブにかかる(オーバーハングする)ような造りになっていると思います。ホイールに出る影の様子からはそう解釈できます[2]。実はその①で書いたType3の図でも、わずかにキャップの端がホイール側からはみ出すように描いておいたのです(クリックして拡大しないと判り辛いですがw)。が、本文中でその点に言及するのを忘れていました。ちなみにドイルの図でもこの点は同じ(高さの解釈には違いがありますが私の方はその点は左程厳密ではありません)なのですが、実はDMLのキットパーツでもその点を意識した設計になっていることにこないだ気が付きました。

20130410b
 上の写真はそれぞれ左がD型用、右がE型用のランナーです(具体的には前者がガルパン版、後者が潜水戦車版のキットに同梱されているもの)。見てのとおりパーツレイアウトは同じ、一部子枠の付き方に違いがあるのは最近のキットに良くある金型の組み換えの結果だと思われますが・・・

20130410c

 転輪パーツを良く見ると、ハブの接着面の幅に違いがあるでしょう?コレ、そのままハブ直径の違いになっています。D型用は直径5㎜、E型用は5.5㎜です。実は1月22日の各社パーツ比較の記事中、DML初期型転輪でキャップとホイールの間でわずかに段差が生じる旨書いたのはコレが原因。どうやらE型用のホイールにD型のハブを接着していたようです。
 初版のキットを確認していないのでアレですが、E型潜水戦車の方が通常のD型キットより後発だったと思いますので、単純にパーツを改良したというのではなく、金型を差し替えて意図的に作り分けているのだと思います。こういう細かい仕事をさらっと混ぜてくるからDMLは侮れませんねぇ。ちなみにトライスターの初期型ハブは中・後期型と同じ5.4㎜直径で、こちらは現存する中・後期型転輪のデータをそのまま採用したのでしょう。しかしこの点はDMLの解釈が正解と思われます。
 ホイールのハブ径をいじるのはまじめにやろうとすると結構面倒な作業になります(ボール盤で中心をくり抜いて正しい径の円柱を指し込む?それを16個以上?ぞっとしますねw)し、これも以前書きましたがプレスパーツ部分のリブの表現や皿の傾斜など、トライのパーツは若干クドイ。更にはコレも後から気が付いたことですが、ホイール本体の直径もトライの方がDMLより若干大きく(直径で0.15㎜程)、かつ転輪全体の外寸はほぼ同じなので結果的にトライのゴムタイヤは直径方向に若干低い。言いかえるとトライのゴムタイヤは内径が大きいのでDMLのホイールに合わせるとゆるゆるで、逆にDMLのゴムタイヤをトライのホイールにはめようとするとキツキツ、というか割れます。で、実車の転輪と見比べてどっちがより近いイメージかと言うとやっぱりこの点もDMLのパーツの方が近い気がします。以上の相違点を踏まえて初期型転輪のベースもやはりDMLのパーツをベースとし、以下、実際のモデルでの対処方に移ります。

・D型用転輪の対策

 D型用の要点はキャップの見掛け上の厚みをもっと薄くする事です。DMLもトライも、パーツの合わせ目をそのままキャップとホイールの接合線と解釈した場合、キャップの見掛け上の厚さが厚すぎます。

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 まずDMLのパーツをそのまま組んで、キャップとホイールの接着がきっちり固着したら、5㎜の穴が開いたスペーサーをかませてキャップの頭を削ります。スペーサーの厚みは幾つか試した上で、一先ず0.7㎜(0.5㎜プラ板+0.2㎜プラペーパー)で落ち着きました。次にキャップとホイールの合わせ目を綺麗に消してスムースな円柱にします。エバグリのプラパイプの中に水ぺーパーを仕込んだものでならしました。

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 別途トライの初期型ハブキャップを裏から薄削りします。これも簡単なガイドをつくって、厚みを0.4~0.5㎜まで削ります。表面のグリスポイントのディテールをつぶさない様に注意。

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 両者の加工が済んだら少量の接着剤で張り合わせて乾燥させます。そのままだと上述のようにキャップ側がわずかに直径が大きい分はみ出ているハズなので、DML側のハブ直径に合わせて削り込んで出来上がり。この時キャップとホイール側の継ぎ目を消してしまわない様に残しておくのがキモです。画像は右からトライそのまま、ニコイチ加工品、DMLそのまま。ハブの高さそのものはDMLそのままとほぼ同じですが、キャップの見掛け上の厚みがぐっと薄くなりました。実車の転輪は概ねこんな感じです。
 ついでに言うと、DMLのキャップはおでんの大根みたいな面取りがくっきりハッキリしているのですが、実車はそこまできつい面取りはしていないようです。トライのちょっとだるい感じのキャップを一回り削り込んだ状態の方が実車パーツの雰囲気には近いように思いますのでこれで一石二鳥。ただしグリスポイントのディテールは、ホントはDMLの方を使いたかった所です。アチラを立てればコチラが立たず、悩ましい所ですが数も多いのでこの辺で妥協することにしました。
 なお、今回のニコイチ加工転輪にはホイールパーツをガルパン版の不要パーツから、ゴムタイヤの半分をA型キットで不要になる分から供出させましたので、足りないゴムタイヤの残り半分とキャップはトライの転輪セットから持ってきています。DMLのホイールにトライのタイヤをはめ込む際にはホイール側に0.1㎜プラペーパーの細切りを一巻きしています。裏から見れば隙間が空いてますが、組み込んだら見えないので良しとしました。ゴムのパーティングライン表現は、DMLのゲートレスタイヤに限り“イキ”でもよいと思っているのですが、トライと混用した都合で軽くペーパーをかけ、やや摩耗した感じにして誤魔化しました。一先ず今回の5㎝砲試験車のボギーに組み込む分はこのニコイチ転輪を使います。

・E型用転輪の対策

 E型の転輪はキャップの直径が増した分がホイール側ハブからはみ出している状態とキャップの見掛け上の厚みを増やすのが要点です。特に前者を狙う為には、実はE型用の転輪パーツではなく、敢えてハブ直径の小さいD型用パーツから加工する必要があります。

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 右はE型キットのホイールとハブをそのまま組み合わせたもの、左は加工した物です。加工品はD型キットのホイールのハブを削って高さをいったん下げ、その上で0.5㎜プラ板を一枚挟んでキャップを接着しています。右のE型キットそのままとのニュアンスの違いが判っていただけるでしょうか。ただし、この画像の加工品自体はボツですね。増厚が過ぎたのと現物合わせで削り込んだ分精度が良くありません。5.5㎜径のポンチを調達して、0.3㎜プラ板か0.2㎜プラペーパーの二枚重ね位でやるのがベストだと思います。その辺りは後日E型をつくる時に改めて。

 ふー、という訳で転輪話は一先ずこの辺で一区切りにします。まだまだ先は長いです。

引用文献

[1]尾藤 満, 富岡 吉勝, 北村 裕司『アハトゥンク・パンツァー 第3集 Ⅳ号戦車編』大日本絵画 1993 p26

[2]『ピクトリアル Ⅳ号戦車シリーズ』サンデーアート社 1987 表紙写真

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